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消防庁長官が認定する制度を廃し、その資格について規則等において明確にすることとし、平成六年一一月に消防法施行規則を改正し、平成七年四月一日から施行している。

 

一三 空調用蓄熱槽水の消防用水としての使用条件
空調用蓄熱糟水は電力消費の少ない夜間の電力を水温に置き換えることにより、主として昼間において冷暖房用の熱源として活用される。一方、消火設備等の水源の水質については、特段の定めがないが消火に用いることのできる水(汚染されていない、高温でない等)であることが必要とされている。この水槽の水量としては、相当水量(一〇〇t以上)が貯水されていることから、この水を消防用設備等の水源、消防用水として使用する場合の条件の明確を図ることとし、平成八年度に措置することとしている。

 

一四 消防用設備等に係る点検報告
消防用設備等については、定期的に点検をおこなうとともに、その結果を防火対象物の関係者が定期的(特定防火対象物にあっては一年に一回、また、非特定防火対象物にあっては三年に一回)に消防長又は消防署長に報告することとされている。この場合において、消防用設備等点検結果報告書には、消防用設備等毎の点検結果を記載した点検票を添付することとされているが、防火対象物が大規模化、高層化等するに伴い、膨大な量となり、これらを確認、事務処理等をする場合の負担増となっている。これらの状況を踏まえ、当該点検票等の簡略化を図ることとし、平成九年度までに措置することとしている。

 

一五 鋼管により開口部のない耐火構造の床又は壁を貫通できる場合の条件
異なる防火対象物として見なすための令八区画、あるいは共同住宅等の住戸間等の防火区画については、原則として開口部のない耐火構造の壁、床で区画することとされている。この区画を給排水等に一般的に用いられている鋼管により、貫通できる場合の条件について、「令八区画及び共住区画を貫通する鋼管等の取扱いについて」(平成八年三月二七日付け消防予第四七号)により通知し、一定の施工方法により施工される鋼管等については個別評価を必要ないこととしたものである。

 

一六 防火対象物の各部分からスプリンクラーヘッドまでの水平距離の基準
スプリンクラーヘツドは、設置する防火対象物の用途、設置する階等に応じ、当該各部分からの水平距離が定められている。スプリンクラーヘツドのうち感知性能及び散水性能の高いもの(高感度型ヘッド)が開発され、基準化されたことに伴い、防火対象物の天井又は小屋裏の各部分から一のスプリンクラーヘツドまでの水平距離を引き上げることとし、平成八年二月一六日の政省令改正により措置した。

 

おわりに
予防行政における規制緩和については、防火安全のレベルを低下させない範囲において、関係者の理解を得ながら実施することが必要である。このため、規制緩和をおこなうに当たっては、事務手続き等の簡素・合理化、新技術等によるものを積極的に導入すること、基準の明確化を図ること等を念頭に実施することとしている。

 

 

 

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